条件
船の諸元を編集する(速力・燃料消費・船価・傭船料・積載・運河料)
結果
太い線が最も安い経路。点線は物理的に通れない経路。赤い丸は保険の割増がかかっている海域、灰色の丸は運河・海峡。地図は回廊の範囲に合わせて拡大している。
| 経路 | 距離(海里) | 日数 | 燃料 | 時間(傭船料) | 運河料 | 戦争保険 | 合計 | 単位あたり |
|---|
金額は米ドル。合計は満載の一方航(積地→揚地)で、帰りの空荷航は含めない。「時間」は傭船料相当×(航海日数+待機+港日数)=その船を使っている間の機会費用。
原油1バレルの着値と、燃料の値段への効きかた
運び賃は「いまの局面の最安経路」の値。原油の値段はブレント先物(期近)を使っている。中東産の指標はドバイ原油なので、あくまで目安。円換算は1バレル=158.987リットルで割っただけの数字で、原油1リットルがそのままガソリン1リットルになるわけではない。ここで出るのは運び賃の差だけで、価格の予測ではない。船で運んで精製し在庫が入れ替わるまで2〜3か月かかるので、いまの運び賃の差はその頃の製品価格に薄く効く。
日本の店頭ガソリンへの効きかた(費用の積み上げ)
これは予測ではなく足し算です。いまの店頭価格を「原油の通関価格+精製・流通・小売の取り分+税+補助」に分解し、取り分と税と補助の仕組みが変わらないと仮定して、いま船に積んだ原油の着値を差し込むと店頭がいくらになるかを出しています。原油相場が着くまでの間に動けば、その分はここに入りません。数字はすべて公表統計から毎日取り直しています(出典は下)。
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コンテナ1箱の運び賃 — 傭船料・需給・国内価格への効きかた
これは予測ではなく足し算です。コンテナ船は積地を変える迂回ができないので、費用を動かすのは燃料・傭船料・戦争保険・運河の4つ。傭船料は貸し手と借り手の需給で決まり、迂回で1周が延びるとそれだけ船が足りなくなる。逆に紅海が使えるようになれば、迂回が吸収していた船腹が一度に戻る。数字はいずれも公表値(出典は下)に、この計算機の距離と日数を足したもの。
実際にはどこを通ったか(公表数字)
計算は「割増が船価の何%になったら迂回が得か」を出す。答え合わせは通航数の実測で。IMFのPortWatchが要衝8か所の日次通航数を無料で公開している。
計算の約束
- 距離は経路の通過点(海峡・岬・運河の出入口)を大圏で結んだ合計。公表距離との差は表の下に出している(±5%程度)。
- 燃料 = 航海日数 × 消費量(t/日) × 燃料価格。待機中は補機分として1日5t。燃料価格の既定値は積地に近い港(ペルシャ湾=フジャイラ、上海=シンガポール、ヒューストン=ヒューストン)のVLSFOを毎日取得して入れている。
- 時間 = 傭船料相当(ドル/日) × (航海日数 + 運河待機 + 港日数)。運賃市況が高騰した局面ではこの値を上げる。
- 戦争保険 = 船価 × 割増率。7日担保を「通過1回」と数え、経路上の危険海域ごとに1回かかるとする。往復や湾内滞留が長い場合は実際より少なめに出る。割増率の「現在」値は報道の数字を日付・出典つきで手で更新している(機械的に取れる公開ソースが無い)。
- 割増率が0.5%以上の海域を通るときは危険手当(乗組員の割増賃金)を局面ごとの定額で足す。
- 積地を変える経路(ヤンブー・フジャイラ)はパイプラインの容量の範囲内でしか成立しない。安く出ても、全ての船がそこへ寄れるわけではない。
- 満載VLCCはスエズ運河を通れないので、その組み合わせは「不可」と出す(実務では半積み+SUMED管)。
- コンテナ船の傭船料の既定値は HARPEX(週次・船型別の6〜12か月用船)から。表にある船型(700〜8,500TEU)はその間を対数で補間し、表より大きい船は「4,250→8,500TEUの傾き(船型の何乗で伸びるか)」で延ばした仮定。1万TEU超は定期船社の自社船か長期用船が多く、この値は目安。
- 迂回の船腹吸収率 = 喜望峰で延びる往復日数 ÷ スエズ経由の1周(往復+港21日)。世界の船腹に対する割合は、それに極東〜欧州航路の船腹シェア(Alphaliner)を掛けた値。紅海を避けているのは他の航路にもあるので、世界の値は下限寄り。
- 「1箱の荷物の値段」は日本の輸入総額から、ばら積み(燃料・鉱石・穀物・木材)、主に航空で運ぶ品(半導体・医薬品・通信機・電算機・光学機器・航空機)、自動車を引いた残りを輸入TEUで割った全国平均。品目で桁が違うので欄で変えられる。
- ここには無い費用: 貨物保険の割増、遅延の違約金、在庫の金利、荷主側のサプライチェーン費。船側の費用だけを比べている。
- 入力した値はブラウザの中だけで計算し、外に送らない。アクセス数の把握には Cloudflare Web Analytics(Cookieを使わない)を使っている。